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エキジビジョン

Oコレクションによる空想美術館-magical museum tour 第8室

「天野・栗原・森元の部屋-オルタナ(ポスト)モダン2」

  • 会 期:
    2009年10月31日(土) - 2009年12月20日(日)
    休館日:
    11/2・9・16・23~27・30、12/7・14
    時 間:
    11:00 - 19:00
    入場料:
    無料
    主 催:
    財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーワンダーサイト
    協 力:
    岡田聡(アートアセファル代表)
    会 場:
    トーキョーワンダーサイト本郷
    アーティスト:
    天野亨彦、栗原森元(栗原良彰・森元嶺)

    イベントチラシをダウンロード (417.6 KB)

トーキョーワンダーサイト本郷では、東京で恒常的に現代日本の若手アーティストの作品が見られる場所を目指し、精神科医であり、現代美術作品のコレクターとして、特に国内の若手作家支援にも積極的に取り組む岡田聡氏の協力を得て、2007年度より「Oコレクションによる 空想美術館-magical museum tour」を開催しております。
今年度6月に開催された第7室に引き続き、今回の第8室では、近年絵画やインスタレーションによる表現で、その活躍が評価されている2組の若手アーティスト、天野亨彦、栗原森元(栗原良彰・森元嶺の2名によるユニット)を紹介いたします。

本展覧会は会期を2期に分け、展示替えを行います。
どちらもお見逃しのないよう、是非ご高覧ください。

 ・Ⅰ期 10月31日(土)~11月22日(日)
ocolle_8_priod1_0379.jpg 展示会場風景

 ・Ⅱ期 11月28日(土)~12月20日(日)
ocolle_8_priod2_1903.jpg 展示会場風景

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オルタナ(ポスト)モダンという妄想

私たちが生活しているこの社会には様々な表現が溢れています。そして、その表現されたものには多かれ少なかれ社会の姿が投影されているはずです。またそれは単に一方向的な関係だけではなく逆の関係も、すなわち社会そのものに表現されたものが投影されていくという双方向の関係にあるとも考えられないでしょうか?とりわけ芸術と言われている表現のなかで、優れたポテンシャルを持つものであればあるほど社会への影響力は大きく、ただ単に社会の姿を映し出すだけにとどまらず、時間や空間を超えて社会を予見したり、時に変革したり創りあげていくことさえもあると思うのです。

私は初めて彼らの作品を観た時に突如として、「人類は今私たちが生きているこの社会とは異なるもう一つ別の社会を構築することができたのではないか」、そんな妄想が頭に浮かび上がったのでした。

その社会は、近代のある時期まで私たちと同じ歴史を歩んだにもかかわらずある時点から袂を分ち、私たちの社会が持つ価値観とは別の価値観を構築しつつ違う方向に進んでいきました。その社会では今日私たちが生活している社会のような地域社会の空洞化がなく、各個人が信頼をよせることができるさまざまな中規模の共同体が機能していて、私たちが互いに拠り所となる共通の物語を共有することによってニヒリズムに陥ることなく活き活きと生活していくことが可能な社会といったイメージです。私はその社会のことを「可能性としてのもう一つの(ポスト)モダンの社会」という意味で、オルタナティブ(ポスト)モダン=オルタナ(ポスト)モダンと勝手に名付けてみました。

今私たちが生きている現実社会は底が抜け落ちたような社会であり、社会の本来もつべき包摂性がなくなってしまいました。こんな社会自体にたいして、もはやまともに信頼をよせる人は余程鈍感な人でもない限りいないでしょう。それでも脱社会的に生きるわけにもいかず(実際は脱社会的に生きていく人はどんどん増えていますが)、したがってシニカルに社会を眺めつつ生活せざるを得ません。拠り所となる共同体(共有できる物語)が無いことがわかっているにもかかわらず、自己承認を担保してくれる物語をもとめて再帰的な無限運動を繰り返し、ひたすら自己消耗して暮らしているわけです。各自が各自の所属する島宇宙(個人間で共有できない小さな物語)のなかで分断共存させられている。島宇宙同士の相互交感はなく、コミュニケーションは戦いとしてしか有り得ない社会。私たちは予めこの状況を乗り越えることの不可能性を了解しつつ、その方法の模索を絶えず強いられている、そんな時代を偶発的にも生きていかなければならないわけです。

その模索、とりわけ芸術的模索の営為として彼らの作品は、私にとって非常に魅力的に映ったのでした。それは彼らの創りあげた作品が共通して持つおおらかさや暖かさや優しさなど、人間味としか言いようのない具体的なディテールの数々が、観る側の私の頭のなかでブリコラージュされ、ある種の幻惑を伴ってオルタナ(ポスト)モダンの観念をよりリアルで具体的なイメージとしてありありと立ち上がらせたのです。そしてそんな社会の構築可能性をも白昼夢のように感じさせてくれたのでした。こんな妄想を、見る側の内部に一瞬にして創りあげてしまう彼らの作品の感染力のなかに、今後の社会を変えていく可能性を見出してしまうのは、あまりに短絡的で楽観的に過ぎるでしょうか。その答えは、この展覧会で彼らの創造した作品を観られた方々同士で、オルタナ(ポスト)モダンの社会という物語を共有できるかどうかにかかっているように思えるのです。

アートアセファル代表 岡田 聡

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天野亨彦 ≪LSM≫ 2008



栗原森元 ≪無宙≫ 2009


■ 関連イベント:  ※終了しました

  オープニングイベント  
  日時:10月31日(土) 17:30~

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オープニングレセプション風景
左より岡田聡氏、栗原良彰氏、森元嶺氏、天野亨彦氏

 

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展示替え後のお披露目アーティストトークにて [2009.11/28]
左よ岡田聡氏、栗原良彰氏、天野亨彦氏、森元嶺氏、TWS今村館長

■イベント風景の動画をご覧いただけます。

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