Emerging Artist Support Program 2010 第5回 展覧会企画公募 出展者決定!

展覧会の企画を公募し、TWSの支援のもと入選企画の展覧会を実現するプログラムの第5回目の出展者が決定いたしました。入選した企画は、TWSのサポートを受けながら企画者自身によってTWS本郷で実施されます。展覧会は2011年2月26日(月)-3月27日(日)開催予定。

出展決定者、および審査員講評文は詳細をご覧ください。


【 本企画公募の流れ 】

6月: 説明会 (TWS本郷)

↓ 公募開始

7月: キュレーション・ゼミ(TWS青山)

↓ 

8月: ウェブエントリー+応募料納入
ポートフォリオ(郵送)提出による応募


8月末: 書類審査

9月末: 二次面接

決定!

出展企画決定!

「floating view  "郊外"からうまれるアート」 
  企画者:佐々木友輔

「ELASTIC VIDEO presented by Plinque」 
  企画者:CLAUDIA LARCHER

「Girl friends forever!」  
  企画者:松井えり菜・村上華子

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審査員講評文


う~ん、去年に比べて面接の語りは立派になったけど、肝心の企画の内容はというと、まだ低調と言わざるをえないかなぁ。どうして日本人の企画は"軽く"なっちゃうんだろう。ついエンタメ入れちゃう、というか。やっぱり「アートは基本シリアス」と考えた方がいいと思いますよ。僕が言うのもナンだけど。ただでさえオルタナティブな場が少ない東京、TWSはなるべく日本人に使わせたいと思っている者なんですが・・・。

会田誠 (美術家)

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夏に実施したキュレーションゼミを通し、展覧会企画の意義について事前に議論できたことは効果があったのか、全体的に良質の提案が多かった。二次審査に残った提案のいくつかでは、アナログ--デジタル、ヴァーチャル--リアル、パラレルワールドといった切り口で情報化、デジタル化の進む現代社会における何らかの「実感」を求める姿勢が共通してみられた。最終選考に残った佐々木さんのテーマ「郊外」は綿密な考察を経たものだったが、実際の作品との結びつきがより明快になるようさらに吟味されたい。選外だった伊奈さんの企画(※1)は完成度も高く支持もあったが、タイトルも含め全体構成にもう少し多角的な視点が求められた。上田・山下組(※2)も「昭和86年」という素晴らしい着想に比べて具体的なプレゼンテーションにもう少し説得力が欲しかった。その他いずれの提案も企画の必然性、具体的な出品作品の質、展示から想像される観客の体験を総合的に勘案しつつ、最終的には実際の展覧会を見てみたいと思わせる提案が選ばれたように思う。

(※1)伊奈章之 企画「レコードの忘れ物」
(※2)上田尚宏・山下裕人

片岡真実 (森美術館チーフ・キュレーター)

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 作品を作る必然と展覧会を作る必然はどう違うのか。そのあたりから考え始めるのがいいのではないかと思う。展覧会の存在意義は作品単体のとき以上に、その時間的空間的座標軸を明確にするべきだ。「いま、ここ」。いまの時代の、ここ東京で展覧会を作る(あるいは始める)ということ。
最終的に実現できるのは3つの展覧会だけだが、見てみたい展覧会はそれ以上あった。どれにも共通するのは、「いま、ここ」で、人に見せたい、伝えたいのだという気持ちが届いたことだ。
今回は片岡真実さん発案によるキュレーションゼミが功を奏し、レベルがより高まってきたと思う。キュレーションの総合力(企画力、統率力、広報力など)が問われる展覧会そのものの公募という、稀なチャンスを今後も活かしてほしい。

鈴木芳雄 (エディトリアル・コーディネーター)

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本年は、このプログラムに関する説明会に加え、展覧会を企画する上での意義と要点についてのクラスも開かれた。また、海外からの応募も増え少しずつプログラムは充実してきました。これまで2次審査におけるプレゼンテーションは、海外の応募または海外で学んだ者がコンセプトもクリアであり、どの様な立ち位置からの提案であるかも含めて圧倒的に優れていて、審査員としては、日本の教育に大きな疑問を抱かざるおえない事が続いていました。しかし、今回2次審査のプレゼンテーションは、日本人の応募者の方が勝った感があります。特に佐々木さんの'郊外'を一つの新しい文化として取り組むものは、興味深いテーマですが、選出したアートワークがどれだけ力強く表現されるかは課題となるでしょう。オーストリアのクラウディアの企画は個々の作品の質の高さが評価されましたが、展示全体ではっきりとしたテーマをどれだけ来場者に受けとってもらえるかが、課題です。さらにGirl Friendsは、アートを志す者の8割が女性であるにもかかわらず、最終的にアーティストとして残るのは圧倒的に男性が多いという今の日本の状況を皆で考えようとする取り組みとしては、応援したいが、女子力の表現方法が、他の分野の様々な若い新しい表現の後追いになるようでは、アートの魅力を感じえません。新しい女子力の表現を期待します。
様々な表現が氾濫しさらに猛スピードで時代が変化する中で、アートが表現する課題は何なのか?ドキッとさせられるもっと迫りくる新鮮な企画を望みます。

家村佳代子(TWSプログラム・ディレクター)

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選ばれた3組の企画にはいずれもオリジナリティがあり、インスタレーションの完成度の高さ、テーマについての着眼点のユニークさ、未熟さと裏腹な未分化なパワーを感じさせる点などが選ばれた要因であろう。コンセプト、プランを空間においていかに効果的に実現していくか、次の段階における課題も多い。
全体としては内容をうまく伝えきれず自己完結に留まってしまったもの、体裁のみを整え説得力に欠けるプランが多かったが、一方で斬新な視点や現代の様相を鋭く捉えたものも見受けられ、今後はそれをさらに深く掘り下げ、形にしていってほしい。
エマージングの段階ならではの発想の自由さ、柔軟さを存分に発揮し、同時にパブリックな場で展覧会を企画するプロフェッショナルへの第一歩として、頭の中のプランを具現化し、他者に伝えていく難しさを体験してほしい。

北澤ひろみ(TWSキュレーター)

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