【TOKAS本郷】「OPEN SITE 2019-2020」企画決定!

あらゆる表現活動が集まるプラットフォームの構築を目指し、2016年より始まったトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)の企画公募プログラム「OPEN SITE」の2019年度実施企画が決定しました。
今年3月から4月にかけて実施した公募では、国内外から202企画が集まり、書類審査と面接審査を経て展示部門4企画、パフォーマンス部門3企画、OPEN SITE dot部門2企画を選出しました。さらにTOKAS推奨企画と教育普及プログラムを加え、2019年11月から2020年2月まで2会期にわたり開催します。ジャンルを超えた創造の場にご期待ください!

実施企画

展示部門

Part 1|2019年11月23日(土・祝)~12月22日(日)

企画者 YOF(大原崇嘉+古澤 龍+柳川智之)
企画名 2D Paintings
色彩・視覚伝達の研究と視覚表現を行うアーティスト・コレクティブによる展示企画。三次元空間と色彩対比によって生まれる二次元的空間が共存する絵画作品をとおして、空間の認知に関する新たな理解を促し、絵画におけるフレームの問題を再考する。

企画者 海野林太郎
企画名 風景の反撃 / 執着的探訪
ゲームのプレイヤーが持つ一人称の視点から、特定の動作のみで撮影した映像作品を発表する。ゲーム的視点により現実の風景はオープンワールド(広大で探索可能な3Dゲーム空間)に変質し、世界に潜在する複雑さや重層性を露呈させる。 

Part 2|2020年1月11日(土)~2月9日(日)

企画者 居原田 遥
企画名 藪を暴く
遠藤薫、花崎草、柳井信乃の3名のアーティストによる「恐い」表現に着目した「現代のお化け屋敷」展。アーティストの行為や作品、制作過程の姿勢に潜在する恐さをとおして、今日の社会における社会的暴力や抑圧などの見えない恐怖を暴く。

企画者 Tess Martin
企画名 Orbit
宇宙空間における人類と太陽の関係について考察するインタラクティブ・インスタレーション。地球のエネルギーの動きと太陽の関わりを表現したアニメーションをターンテーブルで再生し、来場者はスマートフォンを用いて鑑賞することができる。

パフォーマンス部門

Part 1|2019年12月10日(火)~12月15日(日)
企画者 伊藤キム&フィジカルシアターカンパニーGERO
企画名 Voice! Voice! Voice!
即興合唱の手法をベースに、指揮者と演奏者の組み合わせによって展開するパフォーマンス。身体が生み出すメディアの一つである「声」に焦点を絞り、音から言葉への振れ幅を行き来しながら、コミュニケーションの可能性・不可能性を探る。

Part 2|2020年1月14日(火)~1月19日(日)
企画者 長井望美×目黒陽介
企画名 人の形、物を語る。
長井望美(美術家・人形遣い)と目黒陽介(現代サーカス演出家・ジャグラー)による分野を超えたパフォーマンス。「人間がものを動かす行為と、その他者への提示」を本能的希求と捉え、人形遣いをジャグリングの視点で解体する。

Part 2|2020年1月21日(火)~1月26日(日)
企画者 乳歯
企画名 スクリーン・ベイビー #2
神村恵(振付家・ダンサー)と津田道子(美術家)による修行ユニットのレクチャー・パフォーマンス。小津安二郎の『秋刀魚の味』や『秋日和』などの映画を題材に、登場人物の動きを振り付けと捉え、分析、スコア化、再現を行う。

※開催日時等の詳細は後日発表します。 

OPEN SITE dot部門

Part 1|2019年12月3日(火)~12月8日(日)
企画者 Timeline Project : 長倉友紀子、渡辺泰子
企画名 WOMEN Artists & History
日本の女性作家に焦点を当てた、新しい日本美術史のタイムラインを発表する。これまで体系的に把握することが難しかった女性作家同士の連帯や、フェミニズム理論と美術作品の呼応関係を可視化し、日本美術史を女性の視点から読み直す試み。

Part 1|2019年12月17日(火)~12月22日(日)
企画者 abirdwhale | Kakinoki Masato
企画名 性愛規範を問い、本郷との恋愛を試みる私たち
直接的に縁のない土地とある種の愛情関係を築き、現代社会に存在する性愛規範を問うイベント。伝統的な関係性の再構築ではなく、現代に即したオルタナティブな「つながり」の構築を、本郷の街を舞台に参加者とともに考察する。

※開催日時等の詳細は後日発表します。  

TOKAS企画

公募企画に加え、自由なプラットフォームとしてのOPEN SITEの魅力を最大限に伝えるべく、TOKAS企画によるプログラムを開催します。TOKAS推奨企画のほか教育普及プログラムを実施する予定です。

[TOKAS推奨企画]
Part 1|2019年11月30日(土)~12月1日(日)

出演者 ヌトミック
企画名 ヌトミックのコンサート(仮)
緻密に記譜された音楽的な台本による台詞回しと、俳優の個性を活かす演出を特徴とするヌトミック。本公演では、同じ内容の演目を「演奏」と「上演」という異なる出力で演じるコンサートの集大成を発表する。

募集概要

募集期間
2019年3月1日(金)~4月10日(水)
応募総数
202企画
審査員畠中 実 (NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員)
久野敦子(公益財団法人セゾン文化財団 プログラム・ディレクター)
毛利嘉孝(社会学者、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 教授)
近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペース プログラム・ディレクター)

審査員による講評

この公募企画OPEN SITEは、かつてのTOKYO EXPERIMENTAL FESTIVALという企画を継承するものであるように、それは、美術や音楽やパフォーマンスを、ただのジャンルとみなすのではなく、実験的な視点という、従来のものの見方とは異なる表現を標榜するものであった。そして、そのものの見方、何が実験的か、ということも時代とともに変わっていくものである。だから、その年の応募作品の数々から立ち上がってくる、時代に対する態度のようなものから、わたしたちもまた、その時代の実験精神のようなものを垣間見ることになる。それは決してトレンドのようなものではなく、それに合わせようと思っても合わせられない何かであるだろう。それゆえに、個々の表現から一貫性を見出すというよりは、自身の表現や発表形態に対する異化、というような姿勢を読み取ることができるかもしれない。

畠中 実 (NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員)

今年も、数々の申請案件から大いに刺激を受けた。種々様々な表現手法、視点の新しさ、独自のこだわりから、国籍、年齢を問わない申請者の顔ぶれからもOPEN SITEが「あらゆる表現が集まるプラットフォーム」として貴重な場になっていることを改めて確信した。採択された案件は、強い個性と独特な世界を持ち、さらに自己の世界を探求する強い意志が感じられるものが揃ったと思う。どの作家も、一つの芸術分野に拘らず、表現手法や形態を自由に選択、混合させており、多彩な技術や知識を持っていることを感じた。また、国内外で活躍している作家が多かったこと、今回の参加を契機にステップアップを考えている様子が窺えたのも頼もしい。パフォーマンス部門では、20代の採択が叶わなかったのが残念だ。引き続き「あらゆる表現」を受け入れることでOPEN SITEの発信力が増していくことを期待している。

久野敦子(公益財団法人セゾン文化財団 プログラム・ディレクター)

今回も数多く興味深い企画が集まり、選考に苦労した。残念ながら今回選出から漏れた企画の中にも見てみたいものがたくさんあった。その中で選出されたのは、過去の実績や企画書から作品が予想されるものではなく、何が出てくるかわからないけれどもワクワクするものだったのではないか。このことは、選出された企画の趣旨が曖昧だとか完成していないことを意味しているわけではない。むしろキュレーターや演出家、アーティストやパフォーマーの間で綿密に、そして徹底的に企画が練られたうえで、これまでに見たことがないものが見ることができるのではないかという「期待」を抱かせる企画が結果的に選出されたと思う。企画書やプレゼンテーションは、すでに作品の一部である。審査員として作品を最初に経験するという特権を享受できたことを嬉しく思うと同時に、本番が楽しみだ。

毛利嘉孝(社会学者、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 教授)

今回の展示部門では、今までになく個展企画が多く選ばれた。「企画公募」の流れを汲むOPEN SITEらしからぬ結果となったが、企画の形態を問わないのもOPEN SITEの特色であるので、それは単に結果に過ぎないともいえる。パフォーマンス部門ではそれぞれジャンルは異なるが、身体的なパフォーマンスによる作品が3件選ばれた。それぞれのジャンルで活躍をしているパフォーマーが、別のジャンルの方法や視点を借用することで新たな方法論を獲得しようとしているのが興味深かった。観客の参加が前提のdot部門の2企画では、本郷が開かれた小さな「場」となることに期待したい。選ばれた企画以外にも興味深い企画はたくさんあったが、再演や巡回展示、コンセプトだけが提示されていて具体的な内容や方法論が示されていない企画は、「企画」を選ぶOPEN SITEでは評価しにくい。一方新たな試みであるがゆえに、何が起こるかわからないという可能性は評価の対象となった。

近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペース プログラム・ディレクター)

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