更新日:2026.10.27
| 参加プログラム | 二国間交流事業プログラム(招聘) |
|---|---|
| 活動拠点 | フィンランド |
| 滞在都市 | 東京 |
| 滞在期間 | 2019年9月 - 2019年11月 |
私は、身体的な体験が自身の芸術的プロセスにおいて根本的なものであると考えて、アメリカの哲学者ジョン・デューイの「体験」という概念に強く影響を受けてきた。かねてより、日本の文化や、西洋の理解とは異なる「空間」の概念に魅了されてきた。日本のデザインは、ファッションや現代建築、さらにはテクスチャーアートの分野においても、中間的な空間を創り出すことで「層」を活用していることで知られている。日本の文化的伝統において、空間は主観的な知覚であり、身体的な体験であり、また変化し続けるプロセスとして捉えられており、私はこれに深く興味を抱いている。
・現地のダンサーやパフォーマンス・アーティストとコラボレーションを行い、写真や映像で記録し、文章に綴ることで周囲の状況を観察する
・自分の身体を使って、新しい体験や周囲の環境を観察する
・電車で日本中を旅してみたい
・地元のアーティストやキュレーターと出会い、ネットワークを広げたい
・日本の工芸において、触覚という側面は根本的なものと考え、この側面について学び、自身の技術を磨いていきたい
東京では、日本の文化、とりわけ「わびさび」の美学についてより深い理解を得たいと考えていた。日本の文化的伝統において、空間は主観的な知覚、身体的な体験、そして変化し続けるプロセスとして捉えられていることに深い興味を持ってリサーチを行った。また、自身の芸術活動において、体験を不可欠な手段として重視している。レジデンスをとおして、岡山、愛知、青森の各県を電車で旅した。
自身の芸術的プロセスにおいて、言葉と、その言葉が内包する概念に関心を抱いているため、言葉に対する一般的な理解に疑問を投げかけ、概念の背後にあるより深い意味を見出すことを好む。滞在中は、現代社会における「退屈(boredom)」という概念を探究し、退屈という概念における時間的側面を扱う日本語の「暇」という言葉に関心を寄せていた。
レジデンスの成果としては、3か月の滞在中に実に多くの経験を積むことができた。触覚の側面や日本文化に興味があったため、多様な日本の工芸技法に触れる機会を得た。また、各地のアートフェスティバル(瀬戸内国際芸術祭、あいちトリエンナーレ、岡山芸術交流、TERATOTERA祭り)やレジデンス施設(ACAC、AIT)を訪れ、これらは今後、キュレーター分野での研究にも役立つであろう。
現地の工房を訪れ、絞り染めなどの技法に関する知識と経験を積み、地域ツアーに参加し、その地域の実情や可能性について良い見識を得ることができた。現地の舞踏ワークショップに参加し、東京のコンテンポラリー・ダンスや舞踏の公演を観覧することができた。また、研究者、アーティスト、キュレーター、そしてアートフェスティバルなどで活動する地元の人々と出会い、ネットワークを広げた。

オープンスタジオでの展示風景

オープンスタジオでの展示風景

《RIVER》(スクリーンショット)、2019

《Towada Sakiori Hall》モノクロ写真、30x24cm、2019