國分郁子

レジデンス・プログラム

二国間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2022.3.9

國分郁子

参加プログラム   二国間交流事業プログラム(派遣) 
活動拠点日本
滞在都市/滞在先 ケベック/センター・クラーク
滞在期間 2022年4月 - 2022年6月 
滞在目的

先鋭的なメディアアート、パフォーマンスイベントや舞台公演の多いモントリオールは、舞台芸術調査と絵画制作を同時に行うのに適しており、さらに、国と州からの文化助成支援金の割合も多いこの都市は、表現者を支える行政の役割やクリエーターの連携手段の具体的な方法を学ぶにも最適な場所だと考えます。大自然に囲まれながら人間の文化的営みを凝縮して発展してきた場所で、作品の表現や提示方法をより強く、より深められるようアイデアの種を採取し、実践したいと考えました。

滞在中の活動(計画)

・リサーチ:コンテンポラリーサーカス総合施設TOHUのアーカイブ資料館にて、衣装・小道具・技の調査、TOHUの雑技稽古場にて見学とドローイング。(技を行うときの体の構造のクロッキー)
・リサーチ:モントリオールサーカスフェスティバルやロボットフェスなどのパフォーミングアーツ調査
・リサーチ:モントリオールのクリエイティブ&エンタメ産業を支える制作会社の調査とラボ見学
・リサーチ:雄大な自然環境とそこから生まれた民話など土着的な要素
・制作:リサーチした要素(形、景色、ストーリー)を使い、絵画制作

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

舞台芸術、特にコンテンポラリーサーカスがもつ要素「空間・色彩・多文化融合」を絵画に落とし込もうとする國分は、サーカスやダンスフェスティバル、サーカス図書館へ通い、舞台芸術関連のリサーチを実施。サーカス・ネットワーク・コミュニティへのセッション参加、カンパニーの本社見学やインタビューなどを行い、モントリオールの行政・市民・クリエイターの関係性の考察を深めながら、新作のためのドローイングを制作した。

国立サーカス学校(École Nationale de Cirque)見学の様子

リソグラフィー・ワークショップの様子

センター・クラークでの制作の様子

センター・クラークでの制作の様子

滞在の成果
  • リサーチでは、複数の大型フェスティバルが開催される時期に滞在でき、大小様々なカンパニーを知ることができた。(舞台鑑賞32本、セッション&イベント参加14本、展覧会鑑賞40展以上、フェスティバル8本、訪問近郊都市5都市:ケベックシティ、オタワ、トロント、モン=トランブラン、ニューヨーク)
  • 現在の日本では上演が難しい演出の作品も多数あり、そのような作品を鑑賞し、国毎のコンプライアンスの違いを考えるきっかけとなった。
  • MICC (Marché International du Cirque Contemporain)やFTA(FestivalTransAmériques )のフェスティバル会員になったことで、コミュニティーの国際的ネットワークの存在をいくつか知り、連携方法、宣伝の仕方、街や企業のサポート体制などの情報を得ることができた。また、多数のシンポジウムに参加し、各団体の関係者と交流できた。
  • コンテンポラリー・サーカスの最大手であるシルク・ドゥ・ソレイユの本社見学とコスチューム部門マネージャーにインタビューができ、巨大な舞台作品の制作現場の段取りや、チームワーク作り、働き方などを聞くことができた。
  • 作品の配色や質感描写として参考にしていた、アメリカ発祥のカーニバルグラスがカナダの骨董市にたくさん出回っており、絵画制作時の参考素材をたくさん入手できた。

オープン・スタジオの様子

オープン・スタジオの様子

オープン・スタジオ・トークの様子

《原色のポリフォニー》(コラージュ) 2022、コラージュ、ペン、紙、41x29 cm

クリエーター情報

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