早崎真奈美

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2022.8.2

早崎真奈美

参加プログラム    二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点 日本
滞在都市/滞在先バーゼル/アトリエ・モンディアル
滞在期間 2022年4月 - 2022年6月
滞在目的 

バーゼルは3つの国のボーダーエリアとして人と文化が集まる町です。人の往来に伴い、多くの動植物の行き来と生態系の変化があったのではと予測します。バーゼルとその周辺の生物に注目し、生態系に対する人々の意識調査を行い制作に繋げたいと思います。また、バーゼルは製紙業で栄えた歴史があり、今も伝統的な技法で紙を作っている製紙博物館もあります。これまで紙で作品を制作してきたので、興味のある製紙業の歴史や技術をリサーチし、バーゼルでの滞在制作では現地で手に入る紙を使うことを考えています。

滞在中の活動(計画)

・バーゼル製紙博物館にて、製紙のリサーチと制作用の紙の購入
・バーゼル市内の博物館、美術館を中心に歴史などを調査
・在来・外来生物調査…可能であれば専門家に話を聞きに行く。フィールド調査による野生植物の調査スケッチ。動植物ガイドによるトレッキングなど。
・現地でインタビュー…在来外来種についての意識調査
・成果物を作品展示…バーゼルの紙を使った作品を展示

滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

生態系への認識から見える人間性をテーマにリサーチ制作を開始。日本では侵略的外来種として扱われる西洋タンポポに注目し、タンポポをスイスからドイツを経由し、フランスに植えてくるプロジェクトを立ち上げ、ビデオワークを制作。視察した製紙博物館のバーゼル製手すき紙を使い、国境線のない地図を制作した。また、出会った人たちから拾い集めた「国境・生態系」にまつわる言葉を、かつてバーゼルの主要産業であった活版印刷で記録した。

スタジオ習作|2022、紙、定規

《DANDELION SMUGGLER 》2022、紙、インク、鉛筆、 バケツ、シャベル

Druckwerk版画工場見学の様子

《 DANDELION SMUGGLER 》2022、ビデオ部分

滞在の成果

これまでも、滞在先や展示会場の地域をリサーチした上で制作発表することはあったが、今回は約3ヶ月というこれまでで一番長い期間での滞在制作となり、より、地域と関わるプロジェクトを展開することができた。また、ビデオワークなど、新たな試みにも挑戦することができた。特に海外での滞在制作は、視野が大きく広がり、知見を得ることで、思考を深めることができた。見知らぬ土地と人々から得られるものは大きく、今後の活動にも良い影響となるに違いない。同様の滞在制作に今後も挑戦していきたいという意欲が湧いてきた。滞在期間中の発表はオープンスタジオのみであったので、滞在制作の成果をブラッシュアップした形で発表したい。

《DANDELION SMUGGLER》2022、 紙、活版印刷、ペーパーカッティング、インク、葉書、定規、糸、インスタレーション

Atelier Mondial OPEN STUDIO 風景、2022

《DANDELION SMUGGLER》2022、 紙、ペーパーカッティング

《DANDELION SMUGGLER》 2022、 紙、活版印刷、ガラス

クリエーター情報

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