チェマ・ノヴェロ

レジデンス・プログラム

リサーチ・レジデンス・プログラム

更新日:2023.1.12

チェマ・ノヴェロ

参加プログラムリサーチ・レジデンス・プログラム
活動拠点メキシコシティ
滞在都市東京
滞在期間2023年1月 - 3月
滞在目的

TOKASレジデンシーでは、岡本太郎が1967年にメキシコシティで名作壁画《明日の神話》を描いた時期についてリサーチ。岡本氏は、パリのソルボンヌ大学で民族学を専攻していた頃から、古代の先住民族の文化に憧れを抱いていた。作品には日本の縄文人の影響が見られるが、メキシコのアステカ文明やオセアニア先住民族の文化にも深い憧れを抱いていたという。
私のリサーチは、彼が所蔵し、青山の自宅記念館の居間に常設展示されているメキシコの粘土製民俗彫刻「生命の樹」をもとに、1970年に大阪の「太陽の塔」の内部に設置された彼のモニュメント彫刻《生命の樹》との関係性や類似点を見出すことを目的とする。

滞在プラン
  • 岡本太郎記念館、川崎市岡本太郎美術館、太陽の塔、東京国立博物館(1955年9月にメキシコ壁画展を開催)、メキシコ大使館の図書館を訪問。
  • 「日本現代美術におけるメキシコ壁画運動の影響について」という論文を書いた美術史家・学者の加藤薫氏と、岡本太郎の壁画《明日の神話》に詳しい田中敬一氏にインタビュー。
  • このリサーチは、2023年の夏にメキシコシティ、パリ、日本の3都市で撮影する予定の短編映画の脚本制作において最初のアプローチになる。
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

最新の映画プロジェクト「The Two Trees」を進めるべく、次の3つのことに取り組んだ。
まず、日本の学者、専門家などのほか、岡本太郎が代表作である壁画《明日の神話》を描く最中に過ごした1960年代のメキシコシティ滞在に関連する人物にインタビューを行った。
具体的には、
2021年に市原湖畔美術館で開催された岡本太郎、河原温、映像作家の小田香などの作品を取り上げた「メヒコの衝撃」展のキュレーターである前田礼氏へのインタビューが実現した。
また、「明日の神話保全継承機構」の原和弘事務局長との面会が実現し、壁画が常設・公開されている渋谷駅での撮影に必要な許可を受けた。
埼玉県庁の担当者と会い、埼玉県庁の庭園に常設されているメキシコの民芸品「生命の樹」を撮影することができた。この作品は、埼玉県・メキシコ州両地域の商業貿易協定に基づき2000年代初頭にメキシコ州から贈られたものである。
なお、インタビューや面会の実現にあたっては、メキシコ大使館文化部の支援を受けている。 最後に、広島に行き、広島フィルムコミッションディレクターの西﨑智子氏に会い、2023年に実施予定の広島平和記念資料館と原爆ドームでの撮影の手続きを開始した。

2つ目は、岡本太郎のパブリックアートを日本各地で撮影し、近い将来、自身の映画プロジェクトを出資者や映画ファンドに紹介するためのティーザー映像を制作した。今回は、青山にある岡本太郎記念館の内部と彼の彫刻作品《子供の木》、そのすぐ近くにある渋谷駅の壁画《明日の神話》、そして銀座の数寄屋橋公園にある《若い時計台》、最後にそごう横浜の屋上にある《太陽の塔(Sun Tower)》(大阪の《太陽の塔(Tower of the Sun)》とは別物)を撮影した。

最後、3つ目は、この映画の共同制作を実現するために、日本のプロデューサーを探すことに時間を費やした。嬉しいことに、2018年に自身も参加したベルリナーレタレント(ドイツの人材育成プログラム)出身の、制作会社トリクスタの代表で同世代のプロデューサー筒井龍平氏とつながりを持つができた。彼は偶然にも小田香の新作をプロデュースしており、快くプロジェクトに加わってくれることになった。2023年の年末から2024年初めの撮影に向けメキシコと日本両国の支援を確保しようと力を合わせている。

滞在の成果

次回の映画プロジェクト「The Two Trees」のティーザーを完成させ、オープン・スタジオで発表することができた。また、岡本太郎の主要作品の著作権に関係する機関や人々とも会うことができた。そして最後だが重要な成果として、共同映画制作の枠組みに必要な日本のプロデューサーを確保でき、将来的に日本とメキシコがプロジェクトに出資できる可能性が出てきた

クリエーター情報

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