サラ・アレン

レジデンス・プログラム

キュレーター招聘プログラム

更新日:2024.9.30

サラ・アレン

参加プログラムキュレーター招聘プログラム
活動拠点ロンドン
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2024年5月 - 2024年6月
滞在目的

サウスロンドン・ギャラリーの今後のプログラムに向けて、スピリチュアリティとエコロジーをテーマにリサーチを行う。主に「気候危機はスピリチュアルな危機なのか?」という問いを中心に調査を行う。

滞在中の活動
  • 「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」視察
  • 東京での美術館視察
  • 国立科学博物館視察
  • TOKASによるメンタリングセッション
  • TOKASでのプレゼンテーション
  • スタジオビジット
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

将来、サウスロンドン・ギャラリーで開催する「Spiritual Ecologies」をテーマとするグループ展に向けたリサーチを行った。この展覧会は、スピリチュアリズムと、気候危機・環境・エコロジーの諸問題、両テーマが交差する領域で活動するアーティストが参加する国際的なグループ展となる予定である。そして、気候変動の影響を最も受けるとされる地域、グローバル・サウス出身のアーティストに改めて注目するものである。
具体的な活動内容は以下の通りである。

  • 東京の主要な美術館として次の施設を訪問した:森美術館、東京国立博物館、チームラボ・ボーダレス、小田原文化財団、草間彌生美術館、すみだ北斎美術館、新国立美術館
  • 展覧会に向けたアーティスト・リストの整備を進めた。
  • 「気候危機とスピリチュアル危機の間にあるつながりは何か」といったキュレーションの鍵になる問いにまつわる文献調査とリサーチをおこなった。
  • 展覧会開催時のCO2排出削減につながりそうな実施方式に取り組んでいる展覧会についてリサーチした。
  • 提携機関のリサーチを行った。
  • グローバル・サウスの機関と提携する団体に資金提供するブリティッシュ・カウンシルからの助成金について知識を得た。
滞在の成果

上記「滞在中のリサーチ活動」で記した内容がそのまま成果だと感じている。将来の見通しという点では、滞在プログラムを終えたことで、グループ展を進めるためにリサーチに捧げる時間をキュレーターが持つことの重要性を確信させられたと感じている。事業企画責任者という自身の役割は、現在所属しているサウスロンドン・ギャラリーにおいてかなり幅広いものである。自身の時間の多くは部署の運営や、長期的戦略についての仕事、部署の効率的な経営に向けた業務の進め方や手続きの改善などに充てられている。要するに、リサーチに専念できたり、時間を十分に確保できたりしたことはきわめて稀である。こうした経緯から、今回の滞在は自身のキャリアにおいて完全に特殊かつきわめて生産性の高いもので、アーティストのリサーチや芸術的実践の土台となるテーマやコンセプトについてじっくり考えるために時間を使うことができた。この経験を通じて、自身がキュレーターになりたいと思った理由を思い出した、といっても大げさではないだろう。
他にできたかもしれないこと、という点では、時間が許せば沖縄地域のシャーマニズムについてさらなるリサーチをすべく、南方を訪れてみたかった。
滞在中印象的だったのは、神道について学び、多くの神社を訪ね、日本の人々がどのようにこの土着の信仰体系に接しているか、直に体験できたことであった。仏教寺院も訪ねたが、これらふたつの精神的信仰体系がどのように相互作用しているかに触れられたことも同様に重要であった。

トーク風景

クリエーター情報

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