更新日:2025.1.27
| 参加プログラム | 二都市間交流事業プログラム(派遣) |
|---|---|
| 活動拠点 | 京都 |
| 滞在都市/滞在先 | ソウル/SeMAナンジ・レジデンシー |
| 滞在期間 | 2024年9月 - 2024年11月 |
韓国の巫俗芸能や儀式は、社会生活をする中で生まれてくる人々の憤り(「恨-ハン-」)を解くためのものと言われている。その歴史や構造を学びながら、「韓国人でありながら韓国語ができない」という自身のコリアン・ディアスポラとしてのアイデンティティ・トラウマ(「恨」)を解くための方法を探っていく
作家本人にとって、本来の母国語となる可能性もあった韓国語に対するトラウマと日常的に向き合いながら、長年続けてきた韓国古典舞踊の源流となる巫俗文化のリサーチを行った。 巫俗儀式のクッ(社会的ケアの場として韓国の各地域に昔から存在している儀式)の歴史、技法などをリサーチしながら、家族内、共同体内で継承されてきたディアスポラの歴史的トラウマを解くための手法として、表現に取り込んでいくための方法を探る活動を行った。

金スクチャ流の舞踊の指導を受ける様子

京畿道堂クッ保存会の人々による水原市場でのクッの様子

言葉についてのリサーチ

クッについてのリサーチ

クッについてのリサーチ

「複数のことば」を抱く人のポートレート

クッについてのリサーチ
レジデンスでテーマとしていた言語の問題が、人間の社会生活での所属に大きく関わることを今回の滞在の中で様々な方向から思考することができた。また、韓国国内での巫俗文化の在り方をより深く理解し、これが私の制作コンセプトに直に結びついていることを実感できたことで、今後の作品制作の方法に確信を得られた。また、舞踊家の先生の下で、言語を使わない方法でコミュニケーションを続けてきたことからも、たくさんの大きな気づきが得られた。

SeMAナンジ・レジデンシーでのトークイベントの様子

SeMAオープンスタジオの様子