更新日:2024.9.30
参加プログラム | 海外クリエーター招聘プログラム |
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活動拠点 | バンドン、インドネシア |
滞在都市/滞在先 | 東京 |
滞在期間 | 2024年9月 - 2024年11月 |
茨城県常陸大宮市にある放射線育種場(農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究部門管轄施設)の「ガンマフィールド」と、日本の高級果物文化の間にある思索的なもつれあいについて芸術的リサーチを行いたいと考えている。
銀座の高級フルーツ商店から常陸大宮市のガンマフィールドのアーカイブまで、過剰な品種改良が行われたフルーツにまつわる様々な現場を体感することに没頭した。稼働終了した茨城県のガンマ線放射線育種場は自身のリサーチの出発点である。農業や原子力の専門家・研究者にインタビューを行い、この施設とその施策が日本の市場における品種改良されたフルーツにどれほど寄与してきたかを掘り下げた。コバルト60元素は、植物に照射し変異を起こしてきた放射性同位体であるが、これを自身の作品において重要な視覚的記号として取り入れることとした。オープン・スタジオでは、放射線同位体が保管され植物が改良される研究所を模した展示を行った。
2024年、コンピュータ生成イメージ、1080×1920 pixel
2024年、コンピュータ生成イメージ、1080×1920 pixel
2024年、ファウンド・オブジェ
2024年、空間インスタレーションとファウンド・オブジェ Labインスタレーション―来場者との展示風景
アーカイブとそれぞれが関連し合う発見の幅広さに圧倒された。フルーツの品種改良ともつれあう些細な事実とフィクションが政府の様々なプロジェクトや大衆文化の中に存在していた。点と点を結ぶ全ての対話を抽出することが自身の芸術的リサーチの最も重要な段階である。成果については高級フルーツの競売により光を当てたものを予定している。そこでは品種改良されたフルーツの社会経済的影響を表現することを目論んでいる。 もし時間とリソースがあれば、日本の特撮とスーパー戦隊シリーズで描かれた変異を引き起こされた植物(怪人・怪獣)についても探求を深めたいところである。
2024年、小宮太郎氏(山中Suplex)のフルーツを観察する様子