更新日:2025.1.24
参加プログラム | 国内若手クリエーター滞在プログラム |
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活動拠点 | 千葉 |
滞在都市/滞在先 | 東京 |
滞在期間 | 2025年1月 - 2025年3月 |
これまで、異なる国や文化を行き来する中で、流動的に変化する装飾の形態に注目し、有機的な特徴を持つ作品を制作してきた。滞在中は「装飾と力」をテーマに、特に昭和初期の帝冠様式建築の装飾を中心にリサーチを進める。異文化がどのように交わり、新たな意味や役割を生み出したのかを探求し、写真資料などを収集しながら、ドローイングなどの制作を通じて再解釈する。また、滞在先の両国エリアを拠点に、都内の歴史的建築や日本的装飾に関するリサーチも並行して進め、新たな視点を取り入れたい。
本滞在では、「装飾と力」をテーマに、特に昭和初期の帝冠様式建築に見られる装飾のリサーチを行いました。異なる文化的要素が融合した背景や思想を調べるとともに、両国エリアを拠点に、日本的な装飾や文様(江戸時代の模様、有職文様など)についての調査も進めました。リサーチに基づき、写真資料をもとにしたドローイングや立体作品を制作し、工業製品や現代的な要素と伝統的装飾の関係性を探る実験的試みにも取り組みました。これらの活動は、今後の制作の礎となる貴重な体験となりました。
リサーチの様子(東京国立博物館)
リサーチの様子(九段会館)
リサーチの様子(東京都慰霊堂)
リサーチの様子
本滞在では、帝冠様式建築を中心とした装飾のリサーチと、両国エリアに根ざした日本的装飾の調査を通じて、装飾が持つ象徴性や歴史的背景への理解を深めることができた。特に、異なる文化や時代の中で装飾がどのように変容し、流動的に意味や形式を変えてきたのかという点への理解が進んだことは、大きな成果であった。一方で、現地調査に関しては訪問先の事前調整が不十分で、十分な聞き取りや調査ができなかった場面もあった。今後は、装飾の変容性や受容の構造に注目しながら、リサーチと制作を往還するかたちで表現を深めていきたい。
Art Trace Galery(両国)での展示の様子
制作の様子
スタジオの様子