林 彥翔(リン・イェンシャン)

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(招聘)

更新日:2025.1.24

林 彥翔(リン・イェンシャン)

参加プログラム 二都市間交流事業プログラム(招聘)
活動拠点台北
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2025年1月 - 2025年3月
滞在目的

「迫り来る空港」と題したプロジェクトにおいて、成田空港周辺地域を主に焦点を当てる。このプロジェクトは三里塚で起きた歴史的な出来事と現在進行中の空港拡張事業を中心に展開する。「政府」と「住民」がどのように密接に絡み合い、影響し合い、そして依然空港周辺に住み続ける人々がどのように生活を維持しているかを研究することを目的とする。さらに、現在のネオリベラルな近代化プロセスにおいて、これらの「都市計画」がどのように未来の都市を展望し組み立てられたかを検証する。

滞在中の活動
  • 抗議活動後に建てられた記念碑についてリサーチ
  • 成田空港拡張に反対する抗議活動の歴史についてリサーチ
  • 成田空港拡張に関連した作品を制作するアーティストへのインタビュー
滞在中の活動

レジデンス期間中、私は三里塚抗議運動に関する史跡を含む成田空港周辺地域を訪れた。また、現在もこの地域に住む人々に会い、インタビューを行った。リサーチでは、地元の風景、人々、建築物を撮影し、記録した、《塔の予言》というタイトルのビデオ作品を完成させた。この作品は、近代化の過程における葛藤を探り、都市計画がどのように構築され、想像されるかを考察するものである。

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三里塚物産 / 三里塚歴史考証室

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岩山鉄塔

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木の根小屋

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横堀農業研修センター

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横堀農業研修センター

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横堀鉄塔

滞在の成果

レジデンス期間中、私はアーカイブ調査を行い、(何人かの)地元住民にインタビューを行った。言葉の壁があったため、掘り下げて質問をすることは難しかったが、そこで生まれた会話は有意義で、思いがけない洞察につながった。成田空港に関する調査を通して、空港の拡張をめぐる歴史や、成田空港周辺の社会的雰囲気や緊張感について深く理解することができた。このリサーチをもとにビデオ作品を制作した。 プロジェクト全体では、TOKASのサポートに大いに助けられた。しかし、レジデンスの期間が限られていたため、作品が軌道に乗ってたところで私は去らなければならなかった。このトピックの複雑さには、より長期的な関わりと継続的な対話が必要だ。この先も、持続的なつながりを維持し、時間をかけてこのプロジェクトを発展させていきたい。 抗議の痕跡を自分の足で巡りながら、ナビゲートし、探し、方向転換する行為のひとつひとつが、この広大で複雑な歴史にアプローチする個人的な方法となった。こうした旅は、しばしば深遠で貴重な瞬間につながった。最も重要な体験のひとつは、デモに参加し、現在も空港周辺に住んでいる平野泰式さんとのインタビューだ。この闘争を生き抜き、その渦中にあり続けた人物と直接話すことは、私にとってかけがえのない、深い意味のある出会いだった。

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「オープンスタジオ」の写真

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抗議の写真

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2025年、4K ウルトラHD シングルチャンネルビデオ、10分29秒

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2025年、4K ウルトラHD シングルチャンネルビデオ、10分29秒

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