イ・ソヨン

レジデンス・プログラム

リサーチ・レジデンス・プログラム

更新日:2026.1.28

イ・ソヨン

参加プログラム リサーチ・レジデンス・プログラム
活動拠点ソウル
滞在都市/滞在先東京
滞在期間2026年2月 - 2026年3月
滞在目的

社会的な力が私たちの記憶を形作り歪めるプロセスである「選択的忘却」を調査する長期プロジェクトを推進する。移住の歴史と定住の言語に関するこれまでの探求を基に、急速な社会変化が個人の記憶に影響を及ぼす重要な場として東京を考察している。私の研究は、外部からの圧力と個人の歴史の間に生じる緊張関係に焦点を当て、社会が見過ごしがちな物語を個人がいかにナビゲートしているかを検証する。インタビューや共同ワークショップを通じて、地域住民の言葉や身振り手振りを映像として記録し、個人の意志がいかにして人為的な忘却に抵抗し、個人の物語を取り戻しうるのかを理解することを目指す。

滞在中の活動
  • 空間調査:東京における「空白地帯」を特定する。事故や事件の個人的記憶が現在の景観と異なる場所を、歴史記録と現代の場を対比するアーカイブ並置を通じて明らかにする
  • 物語収集:住民や研究者への詳細なインタビューを通じ、社会的圧力が個人に対しいかに選択的忘却や真実の歪曲を強いるかを解明する
  • テーマ統合:これらの知見を個人的記憶と公的抹消の緊張関係を捉えた短い文として「記憶スクリプト」に凝縮する
  • 身体化ワークショップ:これらのスクリプトを微細な身振りやリズムの語彙へ変換し、言語が機能しない際に身体が記憶しているものを探求する
  • 映像記録:レジデンスの主な成果として、研究過程と参加者の身体的証言を捉えたリサーチアーカイブを制作する
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

滞在中は、東京各地で進行中の急速な都市再開発と、地域社会がトップダウン型の変化にどのように対応しているかに焦点を当てリサーチを行った。築地市場や立石駅といった活発な建設現場を調査しつつも、主な研究対象は高円寺とした。そこで私は、アクティビスト集団「素人の乱」や地域住民が、この地域の独立性やボヘミアン的な精神を守るために、再開発にどのように抵抗しているかを調査した。空間が消し去られる前に残されている生の声を記録するため、私は街を歩き回り、日常の会話を録音し、主要な人物である松本哉さんとnaccaさんの対話を収録した。また、東京の闇市に関する歴史的理解を深めるため、研究者の石榑督和さんにも相談した。オープン・スタジオでは、こうした生の記録を展示し、ビデオ・インスタレーションの抜粋を上映するとともに、来場者が自身の思い出を書き込める参加型の壁も設置した。

滞在の成果

レジデンス期間中の主な成果は、再開発が進む中でも地元の空間を忘れようとしない東京のコミュニティの声や言葉を収集したこと。地域住民やアクティビストたちと直接対話することで、こうした変化に直面しているコミュニティのありのままの感情を理解することができた。また、オープン・スタジオをとおして、初期の調査結果を共有するとともに、来場者が都市の変化や自身の記憶について率直に語り合える場を創出することができた。 こうして集めた想いを一つの具体的な芸術作品へと昇華させることを今後の目標としている。東京の開発は急速かつ容赦なく進んでいるため、このリサーチはより大きな物語のほんの始まりに過ぎない。レジデンス終了後も日本に戻り、都市における進行中の物理的な変化を追跡し、この一連の作品群をさらに発展させていきたいと考えている。

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築地市場を見学

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リサイクルショップ「素人の乱5号店」を訪問

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オープン・スタジオで発表した《Kōenji》のスチル画像、2026、HDビデオ、カラー、有声、24分56秒

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オープン・スタジオで発表した《Kōenji》のスチル画像、2026、HDビデオ、カラー、有声、24分56秒

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オープン・スタジオでのインタレーション風景

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オープン・スタジオでのインタレーション風景、参加型の壁

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