TOKAS-Emerging 2020

TOKAS-Emerging

TOKAS-Emerging 2020

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、若手アーティストを対象とした公募展「トーキョーワンダーウォール」の入選者に対し個展の機会を提供するプログラム「Emerging(エマージング)」を2001年より実施してきました。2019年度からは名称を「TOKAS-Emerging」に変更し、日本在住の35歳以下のアーティストを対象とする公募プログラムとして開催しています。
今回は全国から108組の応募があり、ポートフォリオ審査と面接審査を経て、6組のアーティストを選出しました。平面、立体、映像、インスタレーションなど多様なジャンルにまたがる新進気鋭のアーティストたちによる個展を、2020年4月から6月まで2会期にわたり実施します。また、各会期初日には専門家をゲストに招き、出展作家とのオープニング・トークを予定しています。 


開催概要

タイトルTOKAS-Emerging 2020
会期第1期:2020年4月4日(土) - 5月6日(水・振休)
第2期:2020年5月16日(土) - 6月14日(日)  ※6月2日(火)より再開し、6月21日(日)まで会期延長します。
時間 11:00-19:00 
休館日4/6、13、 20、 27、5/18、 25、 6/1、 8 、15 
会場 
トーキョーアーツアンドスペース本郷 
入場料無料
アーティスト第1期:宮川知宙、GengoRaw(石橋友也+新倉健人)、水上愛美
第2期:塙 龍太、吉田志穂、岩本麻由 
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース

第1期:2020年4月4日(土)- 5月6日(水・振休)
※本日程での開催は中止となりました。なお、開催日程等は改めてお知らせします。


宮川知宙 | MIYAKAWA Tomohiro
「スーパーゴーストカミカゼアタック!!」
―「スーパーゴーストカミカゼアタック」とは、鳥山明の漫画[ドラゴンボール]に登場する技の名前である。その名の通り神風特攻をモチーフとしたものであり、劇中では技を発案した少年が、自分の口から生み出した意思を持った霊体に対して、自爆特攻を命じるシーンがコミカルに描かれている。―
今回の展覧会は、主にバイト先の学童保育での経験や、少年期に大戦時の兵器の玩具に夢中になった私の父、そして、2010年当時高校生であった私にまつわるイメージで構成されている。その中から垣間見える、子どもたちから発せられるプロパガンダの切れ端や、全体主義や排外主義の萌芽は、細やかなものとして捉えられがちであるが、それらは私たち大人が作り出した社会の歪みの発露に他ならない。





GengoRaw (石橋友也+新倉健人)
「コトバノキカイ」
GengoRawはアーティストの石橋友也とエンジニアの新倉健人が主催する「機械の視点を通じて、言葉の持つ論理とイマジネーションに関する実験/制作を行う」アート・プロジェクト。本展では、近年飛躍的な発展を遂げた機械学習技術を用いて、我々が普段、無意識に使っている言葉を異化・相対化し、言葉によって思考や行動を規定されている我々自身(=コトバノキカイ)の存在への問いを投げかける。 





水上愛美|MIZUKAMI Emi
「paintings of stranger」
例えば、千年前の見知らぬ地域の人間がどれだけ自分と似ているのか、千年後の人間がどれだけ自分と違うのか。 人の生み出した膨大な創作の歴史から、異なる地域・時代の神話や逸話、モチーフを採取・再構成し作品を制作している。
Space C:ブルース・ナウマンの初期映像作品の一つである「Wall floor positions」におけるナウマンのポーズから星座を作る一連の作品と、脈々と続くストーリーテリングの歴史をテーマに平面作品を展示。
Space D:一度描いた絵画を塗りつぶし、上から肖像画や、ファッション写真のモデルのポーズを踏襲したイメージを描き直すという行為を通して、パッケージ化されることのない見知らぬ他者の身体的労働をテーマにした作品を展示する。 




第2期:2020年5月16日(土)- 6月14日(日)  
※6月2日より再開し、6月21日(日)まで会期延長します。


塙 龍太 | HANAWA Ryota
「創意に満ちた等価性」
最近の楽しみはNintendo Switchで友人とネット対戦をすることです。家から出ることの方がストレスに感じてしまう時期だったので。 今回の展覧会の為に『右手と左手の話』というテキストを書きました。下部に、私の作品について描写している部分を抜粋し掲載します。 全文では「等価性」についての考えが書かれ、この展覧会の根幹となるものです。私は「等価性」に基づいて物事を捉えることで、不条理からの解放に繋がると考えています。この「等価性」をテーマに、個々の作品が独立していながら、全体のユニットとなるようインスタレーションし、隣り合わせの関係を明示します。
―日々、目にしている社会の現状と、今のわたしの気分はあまりにかけ離れている。しかしこの二つは間違いなく同時に存在し関係を持っている。たとえそれが ”無意味な” 関係だとしても、だ。毎日の不安や不満は消えず、受け入れがたい事は常に起きてしまう。自分の内面と比較すると矛盾とも言えるような関係性があるのだが、それを受け入れようと思う。社会と自己の隣り合わせを描写できるのが美術だ。 極端に異質なものが組み合わさった構造は「意味のない」関係を作ってくれる。わたしの作品は意味のない関係を利用して誤読を招き、虚無を快楽に飛躍させる。それを”積極的な受容”と呼んでいる。これは「事を面白くする」ためのシステムなのだ。

助成:公益財団法人朝日新聞文化財団


吉田志穂 | YOSHIDA Shiho 
「余白の計画」
「余白の計画(展示の場所と被写体)」
展示のレイアウトを考える時に、写真が撮影された場所の状況や地形を参考にしている。
展示される場所と被写体の関係について考えてみる。これを組み合わせる事によって新しい景色を作る事が出来るのではと考えた。
まず被写体になった場所に額装された数点の作品を持って行き、展示をするように配置した。しかし作品の個々のイメージと風景は交わることなく、ただ山の中に額が置いてあるという印象だけが残った。
次に海岸の砂や岩肌に、直接写真の像を投影した。海岸の地形を参考にしたインスタレーションを写した画像を選んだ。投映された像が不思議と岩肌の造形に当てはまって見える。
インスタレーションと自然物のテクスチャー、二つの要素混ざり合い一体化して見えた。それは、被写体を撮影し写真に収める行為と、それらを作品として展示空間に配置する構想が接続されているように思えた。
想像もしなかった景色が暗い海岸の中で光っていた。

「内側から見る風景」 
昨年多発した台風による被害で、実家や友人宅の屋根や窓ガラスが破損して室内から見る風景がブルーシートやテープに変わった。部屋の中から見える風景が強制的に変更されたことを鮮明に覚えている。
そして現在、思いもよらない理由で物理的に外の風景を見ることや撮影しに行く事が難しくなってしまった。家の壁に過去に撮影した画像を投影して眺めていた。部屋の中はさほど広くなく壁が平らな部分は少ない。投影した像に影が落ちて見えない部分ができる。部屋中でも場所や状況によって見え方が変更される。
写真は光を使って映される、そこに見えない部分があることで、見えている部分は強調されていた。
そして不思議なことに見えていない部分に目を向け、想像しようとする自分がいた。 


岩本麻由 | IWAMOTO Mayu 
「Untitled Scenes」
日々目にする「もの」や「かたち」は表層では捉えきれない、別の時間や空間のようなものを不確かに内包していると感じる。こうした風景は時とともに絶えず変化し、多くは気づかれぬまま無くなってゆく。 忘れ去られる前に、記録として綴っておきたいと取材する。支持体や素材を介し、トレースしつつ、些細な変化や情報を加える。断片的に、あるいは重ね合わせるように、新たな風景を再構築する。 目にしていたものは実存していたのか、移り変わる風景が記憶を書き換え、次第に霞ませる。本展の「Untitled Scenes」という名は、誰も実際に見ることも名づけることもできないという意味を込めている。  


★展覧会の様子をVRで公開しています!(powered by @Matterport)
協力:スタジオランディノーツ

関連イベント

TOKAS-Emerging 2020 オープニング・トーク【第1期】

※中止になりました。

日時2020年4月4日(土) 16:30-18:00
ゲスト桝田倫広(東京国立近代美術館 主任研究員)
出演宮川知宙、GengoRaw(石橋友也+新倉健人)、水上愛美
TOKAS-Emerging 2020 スタッフによるギャラリートーク【第1期】

※中止になりました。

内容TOKASスタッフが各展覧会について作品の説明を行います。 
日時2020年4月18日(土) 15:00-15:30 
会場トーキョーアーツアンドスペース本郷 
その他入場無料/予約不要
TOKAS-Emerging 2020 オープニング・トーク【第2期】

※中止になりました。

日時2020年5月16日(土) 16:30-18:00
ゲスト三本松倫代(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)※予定
出演塙 龍太、吉田志穂、岩本麻由
TOKAS-Emerging 2020 【第2期】スタッフによるギャラリートーク

※中止になりました。

内容TOKASスタッフが各展覧会について作品の説明を行います。 
日時2020年5月30日(土) 15:00-15:30 
会場トーキョーアーツアンドスペース本郷 
その他入場無料/予約不要

参加クリエーター

GengoRaw (石橋友也+新倉健人)
塙 龍太
岩本麻由
宮川知宙
水上愛美
吉田志穂

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