ベルトラン・フラネ

レジデンス・プログラム

海外クリエーター招聘プログラム

更新日:2022.5.20

ベルトラン・フラネ

参加プログラム海外クリエーター招聘プログラム
活動拠点ベルリン
滞在都市東京
滞在期間 2022年5月 - 2022年7月
滞在目的

サンシャインシティのショッピングモールとその周辺、そして巣鴨プリズンとの関連性に注目します。 非ユークリッド幾何学を考慮しながら、平行する時間軸がどのように出会い、共存できるのか:高性能な2つの場所がどのように、条件づけと監視の側面を共有するのかについて考察します。 一方はセキュリティのため、もう一方は消費主義のために開発され、どちらも合理化と最大化の論理に従っています。

滞在中の活動
  • 最初は巣鴨プリズン跡石碑、サンシャインシティ、遊就館を訪れ、資料および関係者にアプローチし、一定の資料をリサーチする。 私は巣鴨プリズンの遺構、地図や図面、とりわけ操作性や監視のために、ヨーロッパの建築的特徴をどのように共有しているかについて、興味を持っている。
  • この複雑で繊細な問題について、私は第二次世界大戦から現代までの日本の歴史について掘り下げてリサーチをする。 この問題への知識の欠如により、よく把握していないと思われるテーマや題材を取り上げることを避けながら、 方向性が決まったら、このテーマについてより意識して、情報収集することができるだろう。
  • 巣鴨プリズンの受刑者が描いた絵や漫画にも興味を持ちはじめている。 想像力がどのように強制され、構築されるか、つまり想像力がどのように私たちの文化や経験によって条件付けされるかということに興味がある。 そのため、これらの絵は、刑務所内の社会構造や秩序を感じ取るのに役立ち、また抽象的な表現を通して記憶を伝えるのに役立つのではないかと考えている。 このメディアは、私たちがこの場所に対して抱いている記憶や想像力の形成にどのように関与しているだろうか。
滞在中に行ったリサーチ及び制作活動

TOKASでのレジデンス期間中、主にリサーチに専念した。当初は、巣鴨プリズンの表象とそれが取り壊され、サンシャインシティに取って代わられたことに興味を持ち、調査を開始した。しかし、リサーチを進めるうちに、第二次世界大戦の戦争責任を問われる裁判を待っていた巣鴨プリズンの受刑者が、アメリカ政府の援助で釈放され、日本の近代政治を構築する一端を担っていた事実、つまり、巣鴨プリズンは日本近代政治の構築と密接に関係していたことを発見した。そこで、巣鴨プリズンの歴史をドキュメンタリー的に映し出すだけでなく、その物語を抽象化し、一見離れた、あるいは切り離されたトピックとの架け橋となるような抽象化した作品を考えた。

私のリサーチのもう一つの章は、植物学者の小清水卓二による日本に生息するハマユウ(学名:ハマオモト)の発見とその研究をもとに構成した。小清水は研究の末、気温に応じて日本のハマユウの分布限界を示すハマオト線の概念を提唱した。現在、ハマオト線は、植物学者や生物学者が地球温暖化の影響によって急速に変化する動植物を観測する際の参考として用いられている。

滞在の成果

私の成果は、物理的な成果として具現化されたわけではない。 リサーチに専念し、2つの作品の制作が相互につながるよう、制作のアイディアやスケッチを練ることに時間を費やした。また、TOKASでは、C++言語のプログラミングのオンラインクラスを受講するなど、作品制作に必要な、そして今後の制作に役立つような、可視化されない、静かな学習を行った。作品のアイディアの一つは、巣鴨プリズンで死刑執行が行われた13号室のフロアマップに沿うように、掃除ロボットをプログラミングし直すというものだ。さらに、巣鴨の囚人たちの日常生活を反映する内容で、予め録音済みのナレーションをロボットが話せるように、プログラムのコードを調整することも目的としている。

また、ハマオモト線が構想された1938年と現在の天気予報の違いによって、ハマユウの3Dアバターが成長するデジタルシミュレーションを制作する予定だ。シミュレーションは一度開始されると、予測不可能なデータに従って、デジタルハマユウが成長したり、縮んだり、色が変わったりと、そのプロセスが独自に機能するようになる。

《Talk_crinum_line》
ビデオ、アニメーション、12分35秒

《Talk_sunshine_60》
ビデオ、アニメーション、12分35秒

《Design of black currents》
ビデオ、アニメーション、3ループ

クリエーター情報

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