更新日:2026.7.6
| 参加プログラム | 芸術文化・国際機関推薦プログラム |
|---|---|
| 活動拠点 | 釜山(韓国) |
| 滞在都市/滞在先 | 東京 |
| 滞在期間 | 2025年9月-2025年11月 |
フェミニストの視点や東アジアにおける親密な関係性の中に潜む暴力を探求することで、自身の表現を広げていく。幾重にも重なる歴史的と文化的な文脈を持つ東京は、愛という物語が、犠牲と沈黙を通じて女性の人生をいかに形作ってきたのかを検証する重要な場所となる。現地の視点と向き合うことで、国境を越えて共鳴する洞察を深めることを目指す。
レジデンスでは、日常化されたケアや権力の形態に疑問を投げかける作品を制作し、研究をさらに深化させる。
TOKASレジデンシー期間中、私は日本社会において女性が日常的に経験する暴力や犠牲の構造を、三つのオブジェクトと五人の個人を通して調査した。リサーチは、ママチャリ(母親の自転車)、ランドセル、手作り、千人針を対象とし、これらをジェンダー化された労働やケア、歴史的記憶を担う媒体として捉えた。ドローイングやアーカイブ調査と並行して、制作過程の中で直感的に立ち上がった短い思索文も執筆した。また、五人の参加者との対話を通じて、差別、暴力、犠牲のシステムの中で女性たちがどのように代替的な道を模索しているのかを検討した。それは、沈黙を拒否すること、新たな空間を切り開くこと、芸術を通して構造的暴力に対峙すること、そして自己治癒を実践しながら他者との連帯を築くことである。これら五つのアプローチは、インタビューおよび電子メールでのやり取りを通して記録された。

リサーチのためのインタビュー、2025年

リサーチのためのインタビュー、2025年

リサーチ風景、2025年
レジデンシー期間中、オブジェクト、個人的な語り、書かれた思索を結びつける明確な構造として、リサーチを整理・統合することができた。特に重要な成果の一つは、インタビューや書簡でのやり取りを単なる参照資料としてではなく、作品そのものの不可欠な一部として扱う方法論を構築したことである。このプロセスを通じて、リサーチに基づくアーティストブックが制作され、今後のインスタレーションやサウンド作品へと発展させるための基盤が築かれた。 また本レジデンシーは、親密さ、暴力、ケアといったこれまで継続的に関心を寄せてきた主題を、日本の社会的・歴史的文脈の中で再配置する機会となった。今後は、インタビュー参加者との対話や交流を通じて立ち上がった多様な生き方や働き方を取り込みながら、芸術実践をさらに発展させていく予定である。一方で、振り返ると、地域の参加者とより継続的かつ長期的に関わるための時間があれば、リサーチのプロセスはさらに豊かなものになったと認識している。

リサーチテキスト、ドローイング、九つの小さな千人針の断片による可変インスタレーション、2025年

五人の参加者へのインタビュー・テキストによる可変インスタレーション、2025年
オープンスタジオ アーティストトーク、10分、2025年
レジデンシー期間中のプレゼンテーション、2025年