更新日:2026.8.31
| 参加プログラム | 海外クリエーター招聘プログラム |
|---|---|
| 活動拠点 | トビリシ (ジョージア) |
| 滞在都市/滞在先 | 東京 |
| 滞在期間 | 2026年9月 - 2026年11月 |
2018年以降、東京を2度訪れたが、いずれも短い滞在だった。今回のレジデンシーは、幼少期から自分の芸術的な感性を形づくってきた日本文化に、より長い時間をかけて触れる機会となる。特に、日本文学や映画、そして1970年代の視覚芸術から大きな影響を受けてきた。具体的には、川端康成の、直接的に語るのではなく、暗示や間接性、比喩によって表現する姿勢に強く惹かれてきた。映画においては、溝口健二、小津安二郎、三池崇史をはじめとする多くの映画作家の作品や、その独自の世界の捉え方が、自分の芸術的な形成に大きな影響を与えてきた。また、「もの派」の作品や思想にも深く関心を持っている。今回の日本での長期滞在を通して、これまで自分に影響を与えてきたものが生まれた場所や文化を、日々の生活の中で実際に経験したいと考えている。そして、この文化の中から、なぜ、どのようにしてこれほど豊かな芸術が生まれてきたのかを、自分自身の体験を通して理解したい。
《Sunrise》
《From Genocide to Gene Pool and from Gene Pool to Genocide》より
《Sunrise》は、《From Genocide to Gene Pool and from Gene Pool to Genocide》という大きな構想の第一章にあたる作品である。本作は、川端康成の小説『千羽鶴』を現代の政治的・経済的文脈のなかで再解釈する試みである。同時に、私自身の芸術実践、そして世界に対する身体的・形而上的な認識を形成してきた、川端文学に特徴的な間接性、暗示性、比喩性といった表現方法を手がかりとしている。《Sunrise》は、人間が生み出す美とは何かを問いかける。その美のなかでは、痛みと愛が互いに絡み合い、家族という単位を通じて、また歴史の政治的・社会的な側面を通じて、世代から世代へと受け継がれていく。
『千羽鶴』では、父親が遺した一つの茶碗が世代を超えてトラウマを運び、人々の人生や精神のあり方に深い影響を及ぼす。《Sunrise》は、このテーマを現代の経済・政治、そして社会心理学的な文脈へと展開し、今日における記憶の継承とその影響を問い直している。