ひもとく

TOKAS Project

ひもとく

TOKAS Project Vol. 5

TOKAS Projectは、国際的な交流を促進し、多文化的な視点を通じて、アートや社会など、さまざまなテーマについて思考するプロジェクトです。

TOKASと台北国際芸術村(TAV)は、2007年より、双方向にクリエーターを招聘・派遣するレジデンス事業を開始し、今年15周年を迎えました。2022年度までに計29名のアーティストがプログラムに参加し、日本と台湾で制作活動を行ってきました。 本展では、TOKASに滞在した3名と、TAVに滞在中に出会い、ともに制作を行った2名のアーティストの計5名による作品を紹介します。

「ひもとく」とは「書物を開き、読む」を意味し、「書物の知識に触れ、歴史を振り返り、真実を明らかにする」ことへとつながります。また同時に「つぼみが開き、ほころびる」という意味もあります。 本展に参加するアーティストは、東京や台北に滞在することで、その土地の歴史を振り返り、人々に会うことによって、街の新たな側面を見つけ出しました。それらの出会いを作品制作につなげることで、固く閉じていたつぼみが開き始めるように、新たな創造へと向かい、そして世界を解きほぐすことを試みました。
このような交流15周年を迎えたTOKASとTAVの協働が、今後もたくさんの花を咲かせるきっかけになっていくことでしょう。  

開催概要

タイトルTOKAS Project Vol. 5 「ひもとく」
会 期
2022年8月27日(土) - 2022年10月10日(月・祝)
時 間
11:00-19:00(最終入場は30分前まで)
休館日月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)
会 場
トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
入場料
無料
アーティストチェン・イーシュアン(陳 以軒)
チェン・ユウェン(セラ)(陳 郁文)
橋本 仁
ルー・チーユン(盧 之筠)
シュウ・ウハン(周 武翰)
主 催公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース
協 力台北国際芸術村
後 援台北駐日経済文化代表処

※新型コロナウイルス感染症対策のため、変更となる場合があります。

参加アーティスト

《Soft Quarantine》 2020

チェン・イーシュアン|陳 以軒|CHEN I-Hsuen
都市環境にあるモノと公的な力の間にある関係性に着目し、写真、映像、パフォーマンス作品を制作しているチェン。2020年の1月から3月までの東京滞在では、「ホームレス」が他の場所へ移動することや、東京オリンピックによって新しい住居に移ることになった人々をリサーチしました。本展では、コロナ禍になりゆく街の中で写し取ったモノが「自己隔離」の状態にあると捉えた《Soft Quarantine》のシリーズを発表します。

【プロフィール】1982年台北生まれ。台北を拠点に活動。2012年プラット・インスティテュート写真専攻修了。

《The Naturalness II》 2018

チェン・ユウェン(セラ)|陳 郁文|Sera Yu Wen CHEN
チェンは人が作り出した自然空間に興味を持ち、TOKASレジデンシー滞在中に、日本庭園について作庭の方法やその背景にある思想を探るため、さまざまな庭園に赴き、リサーチやインタビューを行っています。そのようにして日本庭園や街路における人と自然、また都市との関わり合いから着想を得た作品を発表します。

【プロフィール】1991年花蓮生まれ。台北を拠点に活動。2019年シカゴ美術館附属美術大学(美術)修了。

《Stage 01》 2014

ルー・チーユン|盧 之筠|LU Chih-Yun
ルーは2012年のレジデンス滞在をきっかけに東京に移り住み、現在も東京を拠点に活動しています。近年は、建築で使われ、堅牢なイメージがあるセメントを用いた作品制作を行い、本展では床面に敷いたスポンジや天井から吊るされた造花などをセメントと組み合わせることにより、観る者の知覚を変化させる作品を発表予定です。

【プロフィール】1984年日本生まれ。東京都を拠点に活動。2018年東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。

《Memory Code》 2019

橋本 仁|HASHIMOTO Jin
橋本は、木材や鉄などの素材を使い「時間と蓄積」「存在と記憶」をテーマに作品制作を行っています。本展では、台湾で生まれ第二次世界大戦後に日本へ引き揚げた日本人(湾生)である自身の祖母が、台北時代に暮らした「高橋邸」に蓄積された記憶を辿りながら、湾生の人々の想いを抽象的に表現した作品で構成します。

【プロフィール】1984年埼玉県生まれ。埼玉県を拠点に活動。東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻修了。

《The Vivid Memories in the Vanished Villa》 2021

シュウ・ウハン|周 武翰|CHOU Wuhan
シュウは建築デザインやドローイングや物語を用いてインスタレーションやパフォーマンスを行い、建築や都市における物語の再解釈を行っています。本展では、台湾の日本統治時代に建てられた「高橋邸」や、同時代の歴史を調べ、その時代の記憶を再構築することを試みます。また台湾文学や建築のリサーチをとおしてアーティスト・ブックを制作する「犬吉工作室」のメンバーのひとり。

【プロフィール】1987年生まれ。台北を拠点に活動。2014年ロンドン・メトロポリタン大学院建築学科修了。

台北国際芸術村「信使」での展示風景 2022  
Courtesy of Taipei Artist Village Photo by Sasha Chan

レター・プロジェクト|The Letter Project
2022年TAVで行われた「信使-TAV & TOKAS 15周年交流記念展」で展示をした「レター・プロジェクト」をTOKASでも紹介します。

「レター・プロジェクト」とは、TAVとTOKASが過去15年にわたり実施してきた交流事業に参加したアーティストたちと、両施設の代表に、文字やイメージをとおして彼らの心の世界を描いてもらった企画です。

「レター・プロジェクト」に参加された方々:
阿部乳坊、荒川創也、ヨンダー・チャン、チェン・イーシュアン、チェン・ユウェン、チャン・カイチュン、チーウェイ・チョアン、花崎 草、橋本 仁、岩井 優、近藤由紀、キャサリントラン・リー、ルー・チーユン、ルオ・ジーシン、丸山美紀、中島伽耶子、太田 遥、志村信裕、ワン・リエンチョン、ウー・ダークン、ジョンハン・ヤオ(アルファベット順)

カタログ

出版物ページより本展覧会のカタログをダウンロードできます。ダウンロードはこちら




関連展覧会

TAVとTOKASの交流15周年を記念して、台北で交流記念展「信使」を開催しています。

タイトル「信使」-TAV & TOKAS 15周年交流記念展
会 期
2022年6月25日(土) - 2022年7月24日(日)
時 間
11:00-18:00
休館日月曜日
会 場
台北国際芸術村、百里廳
アーティスト
荒川創也÷阿部乳坊、チャン・ヨンタ(張永達)、花崎草、中島伽耶子+リ・テマオ(李德茂)
展覧会コンサルタントウー・ダークン(吳達坤)
主 催 台北国際芸術村

関連イベント

アーティスト・トーク
開催日時2022年8月28日(日)15:00 - 16:30
出演チェン・イーシュアン、チェン・ユウェン(セラ)、橋本 仁、ルー・チーユン、シュウ・ウハン
会場トーキョーアーツアンドスペース本郷
料金無料
言語日英逐次通訳
参加方法予約フォームに必要事項を入力の上、お申し込みください。
※申込多数の場合は、予約受付を終了します。
トーク・イベント|橋本 仁×シュウ・ウハン

日本と台湾の歴史を「作品」という形で表現してきた橋本仁とシュウ・ウハン。この度のトーク・イベントではそんな彼らが常に意識してきた「湾生の歴史」について、台湾のオーラルヒストリーを研究している所澤潤氏、沖縄と台湾の関係を長年取材している松田良孝氏をゲストに迎え、さまざまな角度から考察を行います。

開催日時2022年10月9日(日)14:00 - 16:00 ※満席となりました。
ゲスト所澤 潤(教育学者)
松田良孝(ジャーナリスト)
出演橋本 仁、シュウ・ウハン(リモート出演)
会場トーキョーアーツアンドスペース本郷
料金無料
言語日中逐次通訳
参加方法予約フォームに必要事項を入力の上、お申し込みください。
※申込多数の場合は、予約受付を終了します。

定員に達したため、予約受付は終了しました。

参加クリエーター

シュウ・ウハン 周 武翰
チェン・ユウェン(セラ)陳 郁文
チェン・イーシュアン 陳 以軒
橋本 仁
ルー・チーユン 盧 之筠

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