レジデンス・プログラム
二都市間交流事業プログラム(派遣)
更新日:2025.8.13
ハラサオリ
| 参加プログラム | 二都市間交流事業プログラム(派遣) |
| 活動拠点 | 日本 |
| 滞在都市/滞在先 | 台北/トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ |
| 滞在期間 | 2025年9月 - 2025年11月 |
滞在目的
地震に揺らされる身体と社会を振付的な視点で再解釈するダンスプロジェクト「P wave」の発展のために台湾各都市でのリサーチを実施する。日本と同じく地震の多発する台湾で、災害史、都市設計、防災の先端技術を観察する。また伝統的な儀礼舞踊や霊的実践といった、身体を媒介とする災害対応の古層にも注目する。現地コミュニティとの対話や観察を通じて、東アジアに根ざした自然観や身体観との接続を明らかにし、揺れる大地とともに生きる知覚と応答の在り方を探る。
滞在中の活動
- 地震観測・災害教育:台湾における地震観測や災害教育の制度と技術を調査する。中央気象署などの観測機関や、防災教育施設における知識の伝達方法を観察し、揺れに対する社会的対応の枠組みと、それが身体感覚に与える影響を考察する。震災体験装置など、身体で「模擬的に災害を経験する」ためのテクノロジーにも注目する。 訪問予定地:中央気象署(地震観測センター)/Taipei、臺北市立防災科學教育館/Taipei、九二一地震教育園区/ Taichung(霧峰)
- 建築・インフラ:日本統治期に築かれた耐震建築や都市インフラを通じて、近代化と災害対応の交差点を探る。特に銀行建築、官庁施設、都市の防災計画などに見られる「災害を設計に織り込む思想」を読み解き、それが現在の都市空間にどう受け継がれているかを考察する。訪問予定地:國立臺灣博物館 土銀展示館/Taipei、台北府城・北門/Taipei、林百貨/Tainan、嘉義市立博物館+阿里山森林鉄道/Chiayi、宜蘭設治記念館/Yilan
- 宗教儀礼:地震や疫病などの災厄に対し、台湾で伝統的に行われてきた宗教的な儀礼や信仰の実践を観察する。道教寺院における神懸かりや魂鎮め、城隍信仰など、身体を媒介とした儀式が、災害の記憶や恐れといかに関係しているかを読み解く。訪問予定地:艋舺龍山寺/Taipei、迪化街と霞海城隍廟/Taipei、行天宮/Taipei、王船祭(東港)/Pingtung、乩童 (ジートン)の儀式/Tainan・澎湖ほか
- 民俗芸能・身体表現:災害や死をめぐる集団的な身体表現を調査する。鍾馗舞や陣頭などの民俗舞踊やパレードにおける、祝祭的かつ鎮魂的な構造に注目し、身体を通じた災厄の記憶化・再編成の方法を探る。訪問予定地:廟會(廟の祭礼)/Taipei、跳鍾馗(鍾馗舞)/Tainan、陣頭(廟會パレード)/Tainan、原住民族の祈祷歌・舞(アミ族、タロコ族)/Hualien・Taitung
- 再建・空間再編:震災後に再編された住宅や市場、都市空間を訪問し、災害後のコミュニティの再構築と記憶の形成について考察する。空間の変化が人々の生活や身体感覚に与える影響を探る。訪問予定地:震災後再建住宅・市場/Taipei、地震遺構・港湾部/Hualien
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