菊地智子

菊地智子

KIKUCHI Tomoko

更新日:2019.4.25

プロフィール

1996年武蔵野美術大学空間デザイン学科卒業。
東京都写真美術館、森美術館、川崎市市民ミュージアム、Fondazione Modena Arti Visive (イタリア)などに作品が収蔵されている。


最近の展覧会
「プリピクテジャパン・アワード2015ー2017」グループ展、ヒルサイドフォーラム、東京、2018
「Exit from paradise」グループ展、サマセットハウス、ロンドン、2018
「Sequenza Sismica」グループ展、Fondazione Modena Arti Visive、モデナ、イタリア、2017
「Medium of Desire:An International Anthology of photography and video」
  グループ展、Leslie-Lohman Museum of Gay and Lesbian Art、ニューヨーク、2015−16
「ゴー・ビトゥイーンズ こどもを通して見る世界」
  グループ展 、森美術館(東京)、名古屋市立美術館、沖縄県立博物館・美術館、高知県立美術館、2014−15

受賞歴・助成
第1回プリピクテジャパンアワード(2015)
第38回木村伊兵衛賞(2013)

テルモ・アート・アンド・クラフト・ファンド 現代美術部門(2016)
マグナムファンデーション・アジアソサイエティー「Abigail Cohen fellowship in documentary photography」(2014)
マグナムファンデーション・エマージェンシーファンド(2013)

出版物
『I and I』(L’Artier イタリア)


作品 / パフォーマンスについて

私の作品は、時代の激変の波の中で翻弄されながら、様々な「狭間」に生きる人や場所をテーマに、各プロジェクト長期の間被写体の方々と生活を共にしながら制作してきた。男女二つの性の間で揺れるLGBTの若者たちや、自然破壊された大河で生と死の隣り合わせに生きる漁民を描いた写真やヴィデオ作品など、様々な「狭間」に生きる個人の心の揺れや、周囲の圧力や矛盾を乗り越えて「狭間」を超越していく姿を通し、相反するもの、矛盾の衝突によって被写体の内外で生まれるエネルギーの視覚化を試みている。

≪ララ、ジャンジエ、パンドラ 四川省≫、写真シリーズ「I and I」より
まだ性が閉鎖的であった時代に社会の隅で隠れるように生きるトランスジェンダーやドラァグクイーンの生き様を追い、写真を通して驚くべき速さで変化する中国社会と意識の変化を表現したプロジェクト。彼女たちが2つの性の間でもがきながらも、社会や家族からの強い圧力と、自分自身を乗り越えるエネルギーを視覚化。 2011年/57x85,5cm/デジタルCプリント

≪鏡の中のサンジェ 北京≫、写真シリーズ「I and I」より、2006年/57x85,5cm/デジタルCプリント 

≪バー「零点」の楽屋で踊るヤンヤン 河北省≫、2007年/57x85,5cm/デジタルCプリント

≪鏡の前のグイメイ 重慶≫、写真シリーズ「I and I」より、2012年/57x85,5cm/デジタルCプリント

≪長江の河岸に佇むファー 重慶≫、写真シリーズ「I and I」より、2008年/57x85,5cm/デジタルCプリント

≪迷境(2012)≫ ≪傷城(2014)≫、 家族や男女の関係性の伝統的価値観の崩壊で性の境界が曖昧となった中国都市部の90年代生まれの若者達。大人と子供、女性と男性の間を行き来し、中性的な魅力を振りまきながら夜な夜な刹那の愛を求め街を彷徨う少女の性の揺らぎを映し出した映像作品「迷境」(中央モニター)と、重慶の古い町が経済開発の波で壊され崩れてゆく風景を捉えたヴィデオインスタレーション「傷城」(壁4面)。少女の性の揺らぎが周囲の風景と重ね合わせられ呼応する。「迷境」のモニターを4面の壁の「傷城」のヴィデオインスタレーションが取り囲こむ。               
迷境(中央)60インチモニター/ヴィデオ 2014 / 6M壁4面/壁にヴィデオプロジェクター、 「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」 森美術館 撮影:阪野貴也

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